事業報告書

平成26年度事業報告書

(平成26年4月1日から平成25年3月31日)

Ⅰ.事業の概要

 本年度も、ものづくりの根幹技術である金型技術及び金型を利用する成形技術等の研究開発活動に対する助成事業等を通じて、金型技術等の向上を図り、我が国工業社会及び産業経済の健全な発展に寄与するという当財団の目的に沿って、以下の事業を実施いたしました。

1. 研究助成事業
 金型技術及び成形技術等の研究テーマの公募を、6月2日から9月18日まで行い、国内の大学・大学院・高専並びにこれらに準ずる研究機関に所属する研究者から22件の応募があった。それを当財団の選考委員会にて公平かつ厳正な選考の結果、当財団の選考基準にふさわしい助成テーマ7件を採択し、総額1,230万円の助成金を交付しました。
2. 技術交流並びに技術者・技能者の育成に対する助成事業
 前項と同じ公募期間に、国内の大学・大学院・高専並びにこれらに準ずる研究機関で研究開発を行っている研究者等から、内外関係機関との技術交流に対する支援の公募を行い、5件の応募がありました。当財団の選考委員会にて公平かつ厳正な選考の結果、当財団の選考基準にふさわしい助成テーマを審議した結果、3件、50万円の助成金交付を決定しましたが、その後、1名の辞退が発生し、最終的には2件35万円にとどまりました。
 また、金型に関する基礎研究や応用研究を行っている若い技術者・技能者の育成等に対する助成は、公募に対して、応募がない状態が2年続いていることから、理事会で具体的な事業内容の検討を進めた結果、来年度には実施をして、その成果を公表することにより、更に広く展開することを目指す事にしました。
3. 表彰事業
 型に関する技術に関して、特に優れ、かつ、貢献度の高い技術開発者並びに金型産業の発展に対する貢献度が顕著な者を顕彰する事によって、型技術並びに型産業のより一層の発展を図ることを目的に、「一般社団法人型技術協会」との共同事業として、平成26年6月17日に、型技術協会主催の「型技術者会議」で功績賞2件、技術賞は該当なし、型技術論文賞3件、奨励賞5件の顕彰を行いました。
4. 調査・情報提供による普及啓発事業
 ア)助成研究成果報告会の開催
 平成25年度に実施された助成研究テーマの研究成果を論文集にまとめ、平成26年8月1日に千葉県千葉市で、研究成果活用促進と情報交換の場としての研究成果報告会を、約130名の金型技術研究者・大学院生・学生並びに金型関連企業の技術者等の参加で開催しました。
 イ)金型産業史の編纂事業の実施
 本年度は、過去蓄積してきた記録の文献化作業を進め、その第1分冊としてのプレス型編を、「日本における金型産業の歴史的展開課程Ⅰ- 自動車用プレス金型、モーター・コア型編 -」として、3月に発刊することが出来、無償配布を開始しました。
 ウ)技術・業界動向調査事業の実施
 本年度は、東京経済大学の山本聡氏に委託した「ドイツを中心とした金型関連企業の調査研究」の2年計画の初年度を実施し、その中間報告をまとめることが出来ました。

Ⅱ.処務の概要

1. 役員に関する事項

役職名 氏 名 就任年月日 担当職務 略  歴
評議員 上田 勝弘 H24年4月1日 非常勤 大垣精工(株) 代表取締役
評議員 黒田 浩史 H24年4月1日 非常勤 黒田精工(株) 代表取締役
評議員 桜田  弘 H24年4月1日 非常勤 双葉電子工業(株) 代表取締役
評議員 高野 輝雄 H24年4月1日 非常勤 元(株)三宝ラボ 代表取締役
評議員 中川 威雄 H24年4月1日 非常勤 東京大学 名誉教授
評議員 福井 雅彦 H24年4月1日 非常勤 東京工科大学 名誉教授
理 事 衛藤 捷巳 H26年6月2日 理事長
非常勤
 
理 事 犬飼  治 H26年6月2日 専務理事
常勤
当財団 専務理事
理 事 安齋 正博 H26年6月2日 非常勤 芝浦工業大学 教授
理 事 石出 光正 H26年6月2日 非常勤 双葉電子工業(株) 専務執行役員
理 事 小山 秀夫 H26年6月2日 非常勤 千葉大学大学院 准教授
理 事 石井 良雄 H26年6月2日 非常勤 フタバビジネスシステム(株)
監 事 竹下 正己 H26年6月2日 非常勤 原合同法律事務所 社員弁護士
監 事 進藤 直義 H26年6月2日 非常勤 公認会計士・税理士

 

2. 会議に関する事項

(理事会)
開催月日 議 事 事 項 結果
第9回理事会
(通常理事会)
平成26年5月14日
第1号議案「平成25年度事業報告及び財務諸表」承認の件 承認
第2号議案「平成26年度定時評議員会開催要領」承認の件 承認
第3号議案「平成26年度表彰事業選考結果」承認の件 承認
第4号議案「平成26年度公募に関する応募要領」承認の件 承認
報告事項「代表理事及び業務執行理事の職務の執行状況報告」  
第10回理事会
(臨時理事会)
平成26年6月2日
第1号議案「代表理事および業務執行理事」選任の件 承認
第2号議案「平成26年度及び平成27年度の選考委員選任」の件 選任
第11回理事会
(臨時理事会)
平成26年11月19日
第1号議案「平成26年度研究開発助成テーマ選考結果」承認の件 承認
第2号議案「平成26年度海外技術交流助成者選考結果」承認の件 承認
第3号議案「平成26年度技術者・技能者育成助成事業の公募結果」承認の件 承認
第4号議案「選考委員追加選任」の件 承認
報告事項「代表理事及び業務執行理事の職務の執行状況報告」  
第12回理事会
(通常理事会)
平成27年3月16日
第1号議案「平成27年度事業計画案」承認の件 承認
第2号議案「平成27年度収支予算案」承認の件 承認

 

(評議員会)
開催月日 議 事 事 項 結果
第4回
定時評議員会
平成26年6月2日
第1号議案「議長及び議事録署名人の選出」の件 承認
第2号議案「平成25年度事業報告及び財務諸表」承認の件 承認
第3号議案「平成26年度及び27年度の理事及び監事」選任の件 承認
第4号議案「常勤役員への支払報酬額」承認の件 承認
報告事項
①第7回理事会から第9回理事会の決議内容について
②代表理事及び業務執行理事の職務の執行状況報告
 

 

(選考委員会)
開催月日 議 事 事 項 結果
平成26年11月8日 第1号議案「選考委員会規定の確認及び議長の選任」 議決
第2号議案「平成26年度 研究開発助成テーマの選考審議並びに理事会への推薦案決定」 議決
第3号議案「平成26年度 技術交流および協力の助成テーマの選考並びに理事会への推薦案の決定」 議決
第4号議案「来年以降の助成事業に関する討議及び今後の委員会運営など必要事項の検討・調整」
<注:第4号議案については、各委員からの提案事項を次年度以降に事務局が各委員に図り、推進することとした>
左記注

 

3. 助成事業

「研究開発助成事業」・・・7件 総額1,230万円(予算額1,000万円)
  助成研究テーマ名 助成先 研究者名
1 型接触センサーを用いた管材の知的Y成形法 首都大学東京・大学院理工学研究科 真鍋 健一
2 CFRTP(熱可塑性炭素繊維複合材)プレス製品のせん断加工技術の開発 福岡県工業技術センター・機械電子研究所 小田  太
3 表面制御金型を用いたCNT-樹脂接合分子原料の射出成形による高強度ナノ繊維強化樹脂材料の創製 東京工業大学・理工学研究科 赤坂 大樹
4 低圧で低環境負荷の気体による微細発泡技術 京都大学・大学院工学研究科 大嶋 正裕
5 射出成形金型におけるガス排出機構の開発 九州工業大学・大学院情報工学研究院 是澤 宏之
6 樹脂押出成形を高速化する円形ダイの研究 首都大学東京・理工学研究科 水沼  博
7 インサート射出成形と電気式融着を用いた熱可塑性CFRP接合のための金型技術の開発 近畿大学・理工学部機械工学科 西藪 和明

 

「海外との技術交流助成事業」・・・2件 総額35万円(予算額50万円)
  交流会議名 助成先 研究者名
1 2014 IMSS International Conference on Future Materials Engineering (ICME)
フランス共和国・パリ
奈良工業高等専門学校・機械工学科 和田 任弘
2 29th The American Society for Precision Engineering (ASPE) Annual Meeting
アメリカ合衆国・ボストン
日本大学工学部・大学院工学研究科 小原 卓也

 なお、平成26年11月19日開催の第11回理事会で、秋田県立大学大学院博士課程在籍の王 有良氏に、平成26年11月にアメリカ合衆国・ホノルルで開催された59th Annual Magnetism & Magnetic Materials Conferenceで技術交流及び研鑽をするための費用として15万円の助成が決定していましたが、本人から米国ビザの発給が遅れたことを理由に辞退の申請があり、助成を取消しました。

 

4. 表彰事業
「金型技術等関する研究開発及び技術振興に貢献した者に対する表彰事業」
一般社団法人型技術協会と共同顕彰事業として 平成26年6月17日(火)に大田区産業プラザPiOにおいて表彰式を実施
「功績賞」型技術の進歩、向上、発展に関して特に功績の大きかった個人
2件 受賞理由: 自社で得た金型技術を社内に留める事なく、技能五輪などを通して社外にも貢献 人材、後進の育成にも貢献
受賞者: 川桂 功(元(株)デンソー)
受賞理由: 長年に渡り型技術協会を牽引、工作機械の開発や製造を通じて、金型業界の発展に貢献
受賞者: 塩田 成夫((株)TGコンサルタント、元(株)ソディック)
「技術賞」   該当者なし
「型技術論文賞」「型技術」誌に掲載された特に優れた論文等の著者
                              <注:所属は論文掲載時による>
3件 受賞論文: 立体的な加飾を射出成形のみで実現する多色成形金型
受賞者: 多田 憲生((株)岐阜多田精機)
受賞論文: Acura「新型RLX」における新構造軽量ドア製法3Dロックシーム技術の開発
受賞者: 小林 康太、田尾 宣、奥中 啓之、塩原 賢治(ホンダエンジニアリング(株))
受賞論文: 加工速度制御鍛造による高精度ヘリカルギヤの開発
受賞者: 有馬 達男(上板塑性(株))
「奨励賞」型技術者会議及び型技術ワークショップにおける優秀講演者および連名者
                              <注:所属は論文掲載時による>
5件 ☆型技術者会議2013
受賞論文: ハイス鋼を鋳鉄表面に溶接肉盛りしたハイテン鋼板用プレス金型の製品化
受賞者: 友廣 和照、角井 洵、中井 洋介(友鉄工業(株))
出本 修司、砂本 英治((株)キーレックス)
受賞論文: ハイテン金型量産準備の取組み事例
受賞者: 中居 佳子、吉崎 真吾、入江 和郎、毎田 和博(マツダ(株))
受賞論文: 3次元金型設計用ワークステーションへのシンクライアント活用事例
受賞者: 浜尾 晋次、竹井 一真(ホンダエンジニアリング(株))
受賞論文: ワイヤ放電加工におけるノズル噴射によるワイヤ変位の解析
受賞者: 栗山 和樹、岡田 晃、岡本 康寛(岡山大学)
栗原 治弥((株)牧野フライス製作所)
☆型技術ワークショップ2013
受賞論文: プレス成形シミュレーションを活用したプレス品の寸法精度不良対策
受賞者: 平井 朋代、新原 正倫(トヨタ自動車(株))

 

5. 調査・情報提供による普及啓発事業
「第14回 助成研究成果報告会」の開催
平成24年度助成テーマ(平成25年度研究実施)の成果発表を行った。
(助成件数6件中5件の発表と特別講演1件および懇親会を実施)
日程 平成26年8月1日(金)
場所 千葉市美浜区ひび野1-11 ホテルスプリングス幕張
A. 助成研究テーマの成果報告
  講演者 所 属 研究開発テーマ名
1 真鍋 健一 首都大学東京 金型内蔵センサーを用いた知的制御チューブハイドロフォーミングプロセスの開発
2 岩長 祐伸 (独)物質・
材料研究機構
ナノインプリント法を用いた
高精度サブミクロン金型の創製
3 西脇 眞二 京都大学 トポロジー最適化と精密金型を用いた射出成形技術による誘電体メタマテリアルの設計・製造法の開発
4 早乙女 康典 東北大学 金属ガラスのマイクロ射出成形用・急熱急冷金型システムの開発
5 渡利 久規 群馬大学 軽量化を目的とした管材の革新的増肉・縮管成形用金型の開発

 

B. 特別講演
  講演者 所属・役職 演題
1 菖蒲田 清孝 マツダ株式会社 常務執行役員
グローバル生産・グローバル物流担当
「マツダのモノ造り革新について」

 

6. 許可、認可及び承認に関する事項
該当事項なし
7. 内閣府指示に関する事項
該当事項なし
8. 契約に関する事項
該当事項なし
9. 寄附金に関する事項
該当事項なし
10. その他重要事項
調査広報事業(独自事業)として
金型産業史第1集を発刊し、無償配布を開始した。
<書名>
「日本における金型産業の歴史的展開過程Ⅰ
    ―自動車用プレス金型、モーター・コアー型編―」