事業報告書

平成27年度事業報告書

(平成27年4月1日から平成28年3月31日)

Ⅰ.事業の概要

 本年度も、ものづくりの根幹技術である金型技術及び金型を利用する成形技術等の研究開発活動に対する助成事業等を通じて、金型技術等の向上を図り、我が国工業社会及び産業経済の健全な発展に寄与するという当財団の目的に沿って、以下の事業を実施いたしました。

1. 研究助成事業
 金型技術及び成形技術等の研究テーマの公募を、6月1日から9月18日まで行い、国内の大学・大学院・高専並びにこれらに準ずる研究機関に所属する研究者から24件の応募があった。それを当財団の選考委員会にて公平かつ厳正な選考の結果、当財団の選考基準にふさわしい助成テーマ7件を採択し、総額1,040万円の助成金を交付しました。
2. 技術交流並びに技術者・技能者の育成に対する助成事業
 前項と同じ公募期間に、国内の大学・大学院・高専並びにこれらに準ずる研究機関で研究開発を行っている研究者等から、内外関係機関との技術交流に対する支援の公募を行い、3件の応募がありました。当財団の選考委員会にて公平かつ厳正な選考の結果、当財団の選考基準にふさわしい助成テーマを審議した結果、2件、44万円の助成金交付をしました。
 また、金型に関する基礎研究や応用研究を行っている若い技術者・技能者の育成等に対する助成は、公募に対して応募がない状態が3年続いていることから、理事会で具体的な事業内容の検討を行い、安齋理事に実施をお願いして、「プラスチック金型の初級技術者・技能者育成講座」を12月11日から2日間の日程、受講者11名で実施し、その開講に係る諸経費25万円を助成金として交付しました。
3. 表彰事業
 型に関する技術に関して、特に優れ、かつ、貢献度の高い技術開発者並びに金型産業の発展に対する貢献度が顕著な者を顕彰する事によって、型技術並びに型産業のより一層の発展を図ることを目的に、「一般社団法人型技術協会」との共同事業として、平成27年6月16日に、型技術協会主催の「型技術者会議」で功績賞1件、技術賞1件、型技術論文賞3件、奨励賞5件の顕彰を行いました。
4. 調査・情報提供による普及啓発事業
 ア)助成研究成果報告会の開催
 平成26年度に実施された助成研究テーマの研究成果を論文集にまとめ、平成27年7月27日に千葉県千葉市で、研究成果活用促進と情報交換の場としての研究成果報告会を、約120名の金型技術研究者・大学院生・学生並びに金型関連企業の技術者等の参加で開催しました。
 イ)金型産業史の編纂事業の実施
 過去蓄積してきた記録の文献化作業を進め、平成27年3月に第1分冊としての「自動車金型、モーター・コア型編」を発刊したのに続き、平成28年3月に「日本における金型産業の歴史的展開課程Ⅱ-プラスチック金型、プレス金型、ゴム金型編―」を発刊しました。
 ウ)技術・業界動向調査事業の実施
 7月27日に開催した当財団の研究成果報告会で、東京経済大学の山本聡氏に委託した「ドイツを中心とした金型関連企業の調査研究」(2年間の実施計画)の中間報告を実施した。また、2年目の実施内容を含めた最終報告を、平成28年7月開催予定の研究成果報告会で発表する予定です。

平成27年度事業報告書附属明細書

Ⅱ.処務の概要

1. 役員に関する事項

平成28年3月31日現在
役職名 氏 名 就任年月日 担当職務 略  歴
評議員 上田 勝弘 H24年4月1日 非常勤 大垣精工(株) 代表取締役
評議員 黒田 浩史 H24年4月1日 非常勤 黒田精工(株) 代表取締役
評議員 桜田  弘 H24年4月1日 非常勤 双葉電子工業(株) 代表取締役
評議員 高野 輝雄 H24年4月1日 非常勤 元(株)三宝ラボ 代表取締役
評議員 中川 威雄 H24年4月1日 非常勤 東京大学 名誉教授
評議員 福井 雅彦 H24年4月1日 非常勤 東京工科大学 名誉教授
理 事 衛藤 捷巳 H26年6月2日 非常勤 当財団 理事長
理 事 犬飼  治 H26年6月2日 常勤 当財団 専務理事
理 事 安齋 正博 H26年6月2日 非常勤 芝浦工業大学 教授
理 事 石出 光正 H26年6月2日 非常勤 双葉電子工業(株) 専務執行役員
理 事 小山 秀夫 H26年6月2日 非常勤 千葉大学大学院 准教授
理 事 石井 良雄 H26年6月2日 常勤 当財団 事務局長
監 事 竹下 正己 H26年6月2日 非常勤 原合同法律事務所 社員弁護士
監 事 進藤 直義 H26年6月2日 非常勤 公認会計士・税理士

 

2. 会議に関する事項

(理事会)
開催月日 議 事 事 項 結果
第13回理事会
(通常理事会)
平成27年5月22日
第1号議案「平成26年度事業報告及び財務諸表」承認の件 承認
第2号議案「平成27年度定時評議員会開催要領」承認の件 承認
第3号議案「平成27年度表彰事業選考結果」承認の件 承認
第4号議案「平成27年度公募に関する応募要領」承認の件 承認
報告事項「代表理事及び業務執行理事の職務の執行状況報告」  
第14回理事会
(臨時理事会)
平成27年11月18日
第1号議案「平成27年度研究開発助成テーマ選考結果」承認の件 承認
第2号議案「平成27年度海外技術交流助成者選考結果」承認の件 承認
第3号議案「平成27年度技術者・技能者育成助成事業」承認の件 承認
第4号議案「予算額超過に対する経費処理方法承認」の件 承認
報告事項「代表理事及び業務執行理事の職務の執行状況報告」  
第15回理事会
(臨時理事会)
平成28年2月3日
第1号議案「平成26年度末日における財産目録及び正味財産増減計算書内訳表の修正案」承認の件 承認
第2号議案「第6回臨時評議員会の開催方法及びその目的事項等」承認の件 承認
第16回理事会
(通常理事会)
平成28年3月17日
第1号議案「平成28年度事業計画案」承認の件 承認
第2号議案「平成28年度収支予算案」承認の件 承認

 

(評議員会)
開催月日 議 事 事 項 結果
第5回
定時評議員会
平成27年6月9日
第1号議案「議長及び議事録署名人の選出」の件 承認
第2号議案「平成26年度事業報告及び財務諸表」承認の件 承認
第3号議案「常勤役員への支払報酬額」承認の件 承認
報告事項
①第10回理事会から第13回理事会の決議内容について
②代表理事及び業務執行理事の職務の執行状況報告
 
第6回
臨時評議員会
(書面による会議)
平成28年2月17日
定款第27条及び評議員会運営規則6条に基づき評議員会の決議があったものとする事項  
1. 第6回評議員会の日時及び場所等について(書面による評議員会の開催) 承認
2. 平成26年度決算書類の一部修正について(財産目録及び収入額の内訳のみ修正) 承認

 

(選考委員会)
開催月日 議 事 事 項 結果
平成27年11月7日 第1号議案「選考委員会規定の確認及び議長の選任」 議決
第2号議案「平成27年度 研究開発助成テーマの選考審議並びに理事会への推薦案決定」 議決
第3号議案「平成27年度 技術交流および協力の助成テーマの選考並びに理事会への推薦案の決定」 議決

 

3. 助成事業

「研究開発助成事業」・・・7件 総額1,040万円(予算額1,000万円)
  助成研究テーマ名 助成先 研究者名
1 二軸押出機内の流動状態の測定と理論解析 金沢大学・理工研究域・自然システム学系 瀧 健太郎
2 3次元リソグラフィによるマイクロ金型製作 群馬大学・大学院理工学府・知能機械創製部門 鈴木 孝明
3 射出成形におけるセンサ計測技術の研究 東京大学・生産技術研究所 横井 秀俊
4 プラズマ援用ダメージフリー研削プロセス 大阪大学・大学院工学研究科・附属超精密科学研究センター 山村 和也
5 せん断、成形、ダイクエンチ工程を含む通電加熱順送ホットスタンピング法の開発 横浜国立大学・大学院工学研究院・機械工学系 前野 智美
6 放電加工における加工温度計測法の開発 金沢大学・理工研究域機械工学系 小谷野 智広
7 マイクロ工具長の非接触ナノスケール検知手法の確立 九州工業大学・情報工学研究院・機械情報工学研究系 カチョーンルン
ルアン・パナート

 

「海外との技術交流助成事業」・・・2件 総額44万円(予算額50万円)
  交流会議名 期間 助成先 研究者名
1 International Symposium of Optomechatronics Technology 2015 (ISOT2015)
スイス・ヌーシャテル
2015年10月
14日~16日
大阪大学・大学院工学研究科 丸野 兼冶
2 18th CIRP Conference on Electro Physical and Chemical Machining (ISEM18)
東京・東京大学
2016年4月
19日~22日
(一社)電気加工学会・国際会議実行委員会 国枝 正典

 

4. 表彰事業
「金型技術等関する研究開発及び技術振興に貢献した者に対する表彰事業」
一般社団法人型技術協会と共同顕彰事業として 平成27年6月16日(火)に大田区産業プラザPiOにおいて表彰式を実施
「功績賞」型技術の進歩、向上、発展に関して特に功績の大きかった個人
1件 受賞理由: 会長及び副会長として型技術協会を牽引し、型技術の向上、金型業界の発展に貢献
受賞者: 川田 康夫(岐阜車体工業(株))
「技術賞」型技術の進歩、向上、発展に関して特に功績の大きかった個人
1件 受賞題目: 適応制御IDPMの開発と金型加工への応用
受賞者: 鵜飼 佳和、森田 一成、尾畑 朋孝、神谷 聖人、彦坂 博紀(三菱電機(株))
「型技術論文賞」「型技術」誌に掲載された特に優れた論文等の著者
                              <注:所属は論文掲載時による>
3件 受賞論文: 環境に配慮した離型剤不要・長寿命ダイカスト金型の開発
受賞者: 浅野 容示、柘植 和広、後藤 秀治、小木曽 和之(恵東精機(株))
受賞論文: 通電抵抗加熱金型による熱可塑性CFRPの成形技術
受賞者: 吉田 透((株)キャップ)
受賞論文: PVD活用による冷間プレス金型寿命向上への取組み
受賞者: 西田 純一(日立金属(株))
「奨励賞」型技術者会議及び型技術ワークショップにおける優秀講演者および連名者
                              <注:所属は論文掲載時による>
5件 ☆型技術者会議2014
受賞論文: プレス工場におけるプレスパネル流入変動量の常時監視システム
受賞者: 奥井 洋平、小山 義一、田中 美徳(日産自動車(株))
受賞論文: つり下げ電極を用いた曲がり穴放電加工法の研究
受賞者: 池嶋 俊貴、岡田 晃、岡本 康寛(岡山大学)、山口 篤(兵庫県立工業技術センター)
受賞論文: メタリック樹脂射出成形におけるゲート形状が意匠に及ぼす影響
受賞者: 代田 嵩人(岐阜大学大学院)、新川 真人、山縣 裕(岐阜大学)
☆型技術ワークショップ2014
受賞論文: ダイカスト金型の構造最適化への取組み
受賞者: 丹羽 隆徳(ホンダエンジニアリング(株))、横山 邦博(Honda Engineering North America,Inc)
受賞論文: 複合加工機による複雑形状加工のための自動工程設計・自動プログラミング
受賞者: 清岡 李里子、Khusna Dwijayanti、青山 英樹(慶應義塾大学)

 

5. 調査・情報提供による普及啓発事業
「第15回 助成研究成果報告会」の開催
平成25年度助成テーマ(平成26年度研究実施)の成果発表を行った。
(助成件数7件中6件並びに財団独自事業の調査報告1件の発表と特別講演1件および懇親会を実施)
日程 平成27年7月27日(月)
場所 千葉市美浜区ひび野1-11 ホテルスプリングス幕張
A. 助成研究テーマの成果報告
  講演者 所 属 研究開発テーマ名
1 岸  哲生 東京工業大学 レーザー局所加熱を用いたガラスモールド法の開発
2 道畑 正岐 東京大学 蛍光を用いた高NAレンズ金型の形状とコーティング膜厚の同時測定
3 瀧 健太郎 金沢大学 ロールツーロールナノインプリントプロセスにおけるオンライン金型品質評価法の開発
4 竹井  敏 富山県立大学 離型性に優れるナノインプリント加工用バイオマスポリマーを用いる超微細精密金型の汚れ防止技術の開発
5 新川 真人 岐阜大学 鋳造の湯流れ、凝固シミュレーションの高精度化を実現する流動溶湯の温度履歴の評価

 

B. 調査報告(財団独自事業)
  講演者 所 属 研究開発テーマ名
1 山本  聡 東京経済大学 ドイツ・オーストリアの金型企業、ものづくり企業は何をしているのか?(実態調査の中間報告として)

 

C. 特別講演
  講演者 所属・役職 演題
1 山中 俊治 東京大学
生産技術研究所教授
「形、質感、つくり方-デザインを支える加工技術の未来-」

 

6. 許可、認可及び承認に関する事項
該当事項なし
7. 内閣府指示に関する事項
該当事項なし
8. 契約に関する事項
該当事項なし
9. 寄附金に関する事項
該当事項なし
10. その他重要事項
調査広報事業(独自事業)として
平成27年3月に金型産業史第Ⅰ集を発刊し、無償配布を開始したのに続き、平成28年3月に第Ⅱ集を刊行し、平成28年4月より無償配布を開始する。
<書名>
第Ⅰ集「日本における金型産業の歴史的展開過程Ⅰ
       ―自動車用プレス金型、モーター・コア型編―」
第Ⅱ集「日本における金型産業の歴史的展開過程Ⅱ
       ―プラスチック金型、プレス金型、ゴム金型編―」