事業報告書

平成28年度事業報告書

(平成28年4月1日から平成29年3月31日)

Ⅰ.事業の概要

 本年度も、ものづくりの根幹技術である金型技術及び金型を利用する成形技術等の研究開発活動に対する助成事業等を通じて、金型技術等の向上を図り、我が国工業社会及び産業経済の健全な発展に寄与するという当財団の目的に沿って、以下の事業を実施いたしました。

1. 研究助成事業
 金型技術及び成形技術等の研究テーマの公募を、6月1日から9月20日まで行い、国内の大学・大学院・高専並びにこれらに準ずる研究機関に所属する研究者から20件の応募があった。それを当財団の選考委員会にて公平かつ厳正な選考の結果、当財団の選考基準にふさわしい助成テーマ6件を採択し、総額1,000万円の助成金を交付しました。
2. 技術交流並びに技術者・技能者の育成に対する助成事業
 前項と同じ公募期間に、国内の大学・大学院・高専並びにこれらに準ずる研究機関で研究開発を行っている研究者等から、内外関係機関との技術交流に対する支援の公募を行い、2件の応募がありました。当財団の選考委員会にて公平かつ厳正な選考の結果、当財団の選考基準にふさわしい助成テーマを審議した結果、2件、213,000円の助成金を交付しました。
 また、金型に関する基礎研究や応用研究を行っている若い技術者・技能者の育成等に対する助成は、公募に対して応募がありませんでしたので、昨年と同じく「プラスチック金型の初級技術者・技能者育成講座」の実施を安齋理事にお願いして、12月26日、27日の2日間に受講者8名で実施し、その開講に係る諸経費25万円を助成金として交付しました。
3. 表彰事業
 型に関する技術に関して、特に優れ、かつ、貢献度の高い技術開発者並びに金型産業の発展に対する貢献度が顕著な者を顕彰する事によって、型技術並びに型産業のより一層の発展を図ることを目的に、「一般社団法人型技術協会」との共同事業として、平成28年6月22日に、型技術協会主催の「型技術者会議」で功績賞2件、功労者賞15名、技術賞1件、型技術論文賞3件、奨励賞5件の顕彰を行いました。
4. 調査・情報提供による普及啓発事業
 ア)助成研究成果報告会の開催
 平成27年度に実施された助成研究テーマの研究成果を論文集にまとめ、平成28年7月29日に千葉県千葉市で、研究成果活用促進と情報交換の場としての研究成果報告会を、約120名の金型技術研究者・大学院生・学生並びに金型関連企業の技術者等の参加で開催しました。
 イ)金型産業史の編纂事業の実施
 産業史編纂委員会において今後の活動について検討の結果、鉄砲伝来から始まった武器量産技術の基礎と考えられる鍛造型が未着手であることから、記録の蓄積を進めていくことにいたしました。
 ウ)技術・業界動向調査事業の実施
 公募に対する応募がありませんでした。又、事務局で検討した結果、適切なテーマを選定できず事業の実施はいたしませんでした。

Ⅱ.処務の概要

1. 役員に関する事項

平成29年3月31日現在
役職名 氏 名 就任年月日 担当職務 略  歴
評議員 上田 勝弘 H28年6月8日 非常勤 大垣精工(株) 代表取締役
評議員 黒田 浩史 H28年6月8日 非常勤 黒田精工(株) 代表取締役
評議員 桜田  弘 H28年6月8日 非常勤 双葉電子工業(株) 代表取締役
評議員 高野 輝雄 H28年6月8日 非常勤 元(株)三宝ラボ 代表取締役
評議員 中川 威雄 H28年6月8日 非常勤 東京大学 名誉教授
評議員 福井 雅彦 H28年6月8日 非常勤 東京工科大学 名誉教授
理 事 安齋 正博 H28年6月8日 非常勤 芝浦工業大学 教授
理 事 石井 良雄 H28年6月8日 専務理事
常勤
当財団 専務理事
理 事 石出 光正 H28年6月8日 非常勤 双葉電子工業(株) 専務執行役員
理 事 犬飼  治 H28年6月8日 理事長
非常勤
 
理 事 小山 秀夫 H28年6月8日 非常勤 千葉大学大学院 准教授
理 事 高山 敏雄 H28年6月8日 非常勤 双葉電子工業(株) 執行役員
監 事 進藤 直義 H28年6月8日 非常勤 公認会計士・税理士
監 事 竹下 正己 H28年6月8日 非常勤 原合同法律事務所 社員弁護士

 

2. 会議に関する事項

(理事会)
開催月日 議 事 事 項 結果
第17回理事会
(通常理事会)
平成28年5月13日
第1号議案「平成27年度事業報告及び財務諸表」承認の件 承認
第2号議案「平成28年度定時評議員会開催要領」承認の件 承認
第3号議案「平成28年度表彰事業選考結果」承認の件 承認
第4号議案「平成28年度公募に関する応募要領」承認の件 承認
第5号議案 「規程類の改定案及び新規制定案」承認の件 承認
第6号議案 「評議員並びに理事・監事改選に伴う各候補者案」承認の件 承認
第7号議案 「公益目的基本財産を取崩し特定資産への組入れに関する提案」承認の件 承認
報告事項「平成27年度後期理事長及び専務理事の職務執行報告」  
第18回理事会
(みなし決議による臨時理事会)
平成28年5月23日
第平成28年5月15日に急逝された衛藤理事長に代わる代表理事並びに業務執行理事の選任を、定款第47条(決議の省略)の方法により選任 承認
第19回理事会
(臨時理事会)
平成28年6月8日
第1号議案「代表理事および業務執行理事」選任の件 承認
第20回理事会
(通常理事会)
平成28年11月22日
第1号議案「平成28年度研究開発助成テーマ選考結果」承認の件 承認
第2号議案「平成28年度海外技術交流助成者選考結果」承認の件 承認
第3号議案「平成28年度技術者・技能者育成助成事業」承認の件 承認
報告事項「平成28年度上期理事長及び専務理事の職務執行報告」  
第21回理事会
(通常理事会)
平成29年3月22日
第1号議案「平成29年度事業計画案」承認の件 承認
第2号議案「平成29年度収支予算案」承認の件 承認

 

(評議員会)
開催月日 議 事 事 項 結果
第7回
定時評議員会
平成28年6月8日
第1号議案「議長及び議事録署名人の選出」の件 承認
第2号議案「平成27年度事業報告及び財務諸表等」承認の件 承認
第3号議案「公益目的基本財産を取崩し特定資産への組入れに関する提案」承認の件 承認
第4号議案「新評議員並びに新役員(理事・監事)の選任」の件 承認
第5号議案「役員及び評議員の報酬等並びに費用に関する規程の改定案(別表の一部のみ)」承認の件 承認
第6号議案「常勤役員に対する支払報酬額」承認の件 承認
報告事項
①第14回理事会から第18回理事会の決議内容について
②理事長及び専務理事の職務の執行に関する報告
 

 

(選考委員会)
開催月日 議 事 事 項 結果
平成28年11月12日 第1号議案「選考委員会規定の確認及び議長の選任」 議決
第2号議案「平平成28年度 研究開発助成テーマの選考審議並びに理事会への推薦案決定」 議決
第3号議案「平成28年度 技術交流および協力の助成テーマの選考並びに理事会への推薦案の決定」 議決

 

3. 助成事業

「研究開発助成事業」・・・6件 総額1,000万円(予算額1,000万円)
  助成研究テーマ名 助成先 研究者名
1 成型不良を減らすガス透過性モールド材料 富山県立大学 工学部・機械システム工学科 竹井  敏
2 賦形性と力学特性を両立するCFRTPプレス成形 岐阜大学 次世代金型技術研究センター 三宅 卓志
3 温間バルジ成形金型によるテーパ管成形法 山梨大学 大学院総合研究部機械工学系 吉原 正一郎
4 界面制御による高密着・耐腐食性TiBCNコーティング技術 大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 齊藤 丈靖
5 微細プレス成形中の金型/材料界面挙動評価 東京大学 生産技術研究所機械・生体系部門 古島  剛
6 内視鏡処置具用マイクロ歯車打抜き技術開発 株式会社 小松精機工作所研究開発部 鈴木 洋平

 

「海外との技術交流助成事業」・・・2件 総額213,000万円(予算額50万円)
  交流会議名 期間 助成先 研究者名
1 31st American Society for Precision Engineering (ASPE) Annual Meeting
(於:アメリカ合衆国オレゴン州ポートランド市)
平成28年10月23日~
平成28年10月28日
東京大学 工学系研究科・精密工学専攻 鈴木 裕貴
2 SPIE PHOTONICS WEST LASE(PHOTONICS WESTの一部)
(於:アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ市)
平成29年1月28日~
平成29年2月2日
大阪大学大学院 工学研究科電気電子情報工学専攻 吉田 匡孝

 

4. 表彰事業
「金型技術等関する研究開発及び技術振興に貢献した者に対する表彰事業」
一般社団法人型技術協会と共同顕彰事業として平成28年6月22日(火)に大田区産業プラザPiOにおいて表彰式を実施
「功績賞」 型技術の進歩、向上、発展に関して特に功績の大きかった個人
2件 受賞理由: 副会長および実行委員長として型技術協会を牽引し、型技術の向上、金型業界の発展に貢献
受賞者: 小飼 雅道(マツダ(株))
受賞理由: 設立の初期より長年に渡り編集委員長、企画委員長、副会長、会長を歴任し、型技術協会に尽力し型技術の向上、金型業界の発展に貢献
受賞者: 鈴木 裕(一般社団法人モノづくりネットワーク九州)
「功労者賞」 型技術協会創立30周年を記念して、型技術の振興及び型技術協会の発展に顕著な業績を残された方を顕彰
  受賞者: 安齋 正博(芝浦工業大学)
岩淵 明(岩手大学)
香村 章夫((株)牧野技術サービス)
小林 高弘(長野県テクノ財団諏訪テクノレイクサイド地域センター)
坂上 榮松((株)ミズノ工業)
戸澤 幸一(芝浦工業大学)
中島 俊之(鬼怒川ゴム工業(株))
久恒 智彦(元日産自動車)
森下 忠晃((株)協豊製作所)
山村 福雄((株)ツバメックス)
山本 敏郎(ユニアデックス(株))
吉田 徳雄(パナソニック(株))
米山 猛(金沢大学)
渡邉 政嘉(経済産業省)
王 志剛(岐阜大学)
「技術賞」 特に優れた貢献度の高い型技術の開発者
1件 受賞題目: 自動車用大物プレス部品における一工程金型の開発
受賞者: 奥中 啓之、箕浦 豪、横山 潤、杉山 真大(ホンダエンジニアリング(株))
「型技術論文賞」 「型技術」誌に掲載された特に優れた論文等の著者
                              <注:所属は論文掲載時による>
3件 受賞論文: 金属と樹脂の接合技術“NMT(Nano Molding Technology)”による金属代替成形品の可能性」
受賞者: 黒岩 剛毅(大成プラス(株))
受賞論文: サーボプレスと鍛造シミュレーション技術を用いたダブルフランジチューブの開発
受賞者: 金 秀英((株)ヤマナカ合金)、山内 啓(住友重機械工業(株))田崎 賢児((株)ゴーシュー)
受賞論文: レーザーマイクロテクスチャによる摩擦低減技術
受賞者: 井ノ原 忠彦((株)リプス・ワークス)
「奨励賞」 型技術者会議及び型技術ワークショップにおける優秀講演者および連名者
                              <注:所属は論文掲載時による>
5件 ☆型技術者会議2015
受賞論文: 砥石表面温度測定による研削状態のインプロセス判別
受賞者: 鈴木 修平、福原 義也、笹原 弘之(東京農工大学)
受賞論文: SKYACTIVエンジンの軽量化および低コスト化を実現する中子造型プロセスの追求
受賞者: 三浦 直洋、西 昇一、大塚 真、松本 卓也(マツダ(株))
受賞論文: 歩留まり向上の取組み・シミュレーションを活用したショックライン予測手法活用事例
受賞者: 舩本 雄二、小高 秀元、田中 美徳、足立 尚久(日産自動車(株))
本田 和彦、桑山 卓也(新日鐵住金(株))
☆型技術ワークショップ2015
受賞論文: 収縮を考慮した加飾・シュリンクフィルムのデザイン補正
受賞者: 藤井 翔子、鈴木 瑠海、青山 英樹(慶應義塾大学)、森 幸雄(南条装備工業(株))
受賞論文: CFRTP製自動車用フロアのプレス成形への取組み
受賞者: 黒瀬 雅詞、阿部 徳秀(群馬工業高等専門学校)
中村 仁((株)浅野)
西 正人、平島 禎((株)JSOL)
鏑木 哲志(群馬県立産業センター)

 

5. 調査・情報提供による普及啓発事業
「第16回 助成研究成果報告会」の開催
平成26年度助成テーマ(平成27年度研究実施)の成果発表を行った。
(助成件数7件中6件並びに財団独自事業の調査報告1件の発表と特別講演1件および懇親会を実施)
日程 平成28年7月29日(金)
場所 千葉市美浜区ひび野1-11 ホテルスプリングス幕張
A. 助成研究テーマの成果報告
  講演者 所 属 研究開発テーマ名
1 大嶋 正裕 京都大学 低圧で低環境負荷の気体による微細発泡技術
2 真鍋 健一 首都大学東京 型接触センサーを用いた管材の知的Y成形法
3 小田  太 福岡県工業技術センター CFRTP(熱可塑性炭素繊維複合材)プレス製品のせん断加工技術の開発
4 西籔 和明 近畿大学 インサート射出成形と電気式融着を用いた熱可塑性CFRP接合のための金型技術の開発
5 赤坂 大樹 東京工業大学 表面制御金型を用いたCNT-樹脂接合分子原料の射出成形による高強度ナノ繊維強化樹脂材料の創製
6 是澤 宏之 九州工業大学 射出成形金型におけるガス排出機構の開発

 

B. 調査報告(財団独自事業)
  講演者 所 属 研究開発テーマ名
1 山本  聡 東京経済大学 ドイツの金型企業調査報告

 

C. 特別講演
  講演者 所属・役職 演題
1 国枝 正典 東京大学大学院
工学系研究科 教授
放電加工と電解加工の技術動向

 

6. 許可、認可及び承認に関する事項
該当事項なし
7. 内閣府指示に関する事項
該当事項なし
8. 契約に関する事項
該当事項なし
9. 寄附金に関する事項
該当事項なし
10. その他重要事項
該当事項なし

平成28年度事業報告書附属明細書

平成28年度事業報告には、「事業報告の内容を補足する重要な事項」が存在しないので、定款第11条(2)に規定する事業報告の附属明細書は作成しない。